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ボランティアコーディネーション

 

災害支援・防災・まちづくり・共働のデザイン

共働プラットホームは「災害ボランティアをやりたい若者」と「ボランティアをやってほしい人たち」をつなぎます。そして、そこに集い関わるさまざまな人たち同士が縁をつむいでいく、その場づくりのお手伝いをします。

共働プラットホーム ロゴ
 共働Pロゴ by kyon.

学生が主体のさまざまな活動

「つながり」をもたらすためにつくられた「しくみ」= 共働プラットホーム ♪

 

共働プラットホームってなに?

 

災害支援ボランティア活動における「学生たちの共働」を、私たちは、

「大学・学生ボランティア・カウンターパートナーなどがお互いの役割と責任を認め合い、相互関係を深めながら『共に働く』『行動する』そして『新しい関係を築いていく』という意味」(2012年あいのりバス初夏号事前講習会のパワポ資料より)

であると説明してます。

 

それを実践するための場として、共働の関係性を輪っかにしてつないでいくしくみ=共働のプラットホームを、活動のツールとして打ち立てたのが、2011年6月21日、関学聖和キャンパス613教室での記念すべき「関西学院大学東日本大震災共働プロジェクト(共働P)集会」です。

 

そして、運営のミーティングを重ね、6月30日にのミーティングにおいて、「共働Pの『P』について、projectといえば一過性のイメージ。ずっと続けていくのならむしろplatformでしょ」という立ち上げスタッフだった学生の村井聡君と荒木勇輝君の意見を重視し、チーム名を正式に「共働プラットホーム」に決定しました。

 

以来、共働プラットホーム(略して共働P)は、学生たちの「“やりたい”が“できる”」をかたちにする、文字通りのプラットフォーム(※)として、ずっと被災地とつながり、そのつながった関係性を、学生たちが自分たちの力でつむいできました。

 

※共働プラットホームの「プラットホーム」(platform)は、多くは「プラットフォーム」とカタカナ表記されますが、この場合は「様々な人々が集まるターミナルのイメージから、『学生がここで繋がり、そして共に行動を起こすきっかけとなる場所』という思い」が込められており、みんなの「ホーム」(home、居場所)であってほしいというこだわりも込めて、ずっと「プラットホーム」としています。

「里帰り」について

 当初、復旧期の活動を中心に進められた学生ボランティアの活動であったが、時間の経過と共に瓦礫や泥の撤去作業、清掃作業といったハード面における作業と並行し、しくみの整備やコミュニティの再生といったソフト面における作業、すなわち物ではなく人に対する活動が重視されてきた。2011年6月の七ヶ浜における子ども支援の体験をきっかけに、私たちも復興のために被災地と「寄り添う」支援を意識し続けてきた。気仙沼では瓦礫撤去作業から復興商店街の“店主さん”のための支援や漁業を営む“漁師さん”のための支援に変わっていったし、山元ではいちご農家の支援、そのほかの地域でも仮設住宅居住者のためのさまざまなコミュニティ支援など、常に支援する先の顔が見える活動が中心となっていった。

 これを復旧期から復興期への「フェーズの移行」と呼んでいる。

 ところがいわゆる復旧活動が収束していくに従い、ボランティアにとって多くの弊害が出てくることとなった。

 各市町村の社会福祉協議会が運営していた災害ボランティアセンター(以下、ボラセン)も徐々に閉鎖されていった。また震災直後に圏外から参入しボランティアコーディネーションに携わってきた多くの災害支援系のNGOやNPOも撤収していった。

 ボランティアを“やりたい”という意思(Wants)は、支援される側の“やってほしい”という意思(Needs)があって初めて具現化するのだが、そもそも活動の根底にあったNeedsがボラセンの閉鎖などに伴って見えなくなるという現象が起こった。Needsが常時可視化されていなければ、ボランティアにとっては潜在化するNeedsを発掘していくことは非常に難しい。受入側のコーディネーションが減り、ボランティアは自らのWantsを満たすことができなくなり、被災地に行く理由を失っていった。

 そこで共働Pは、その失われた「理由」を取り戻すために、あいのりバスを活用した「里帰りボランティア」を学生たちに訴えかけた。

 里帰りとは読んで字の如く帰省のことだが、実際に血のつながった親類の元へ帰るのではなく、血縁者ではなくても地縁でつながった関係性を重視し、そこで縁のできた人に会いに行く。訪問スパンは年に1回でも2回でも、つまり本当の里帰りと同じ「盆暮れ」の訪問であっても構わない。そんな里帰りをする感覚で東北へ行こう、と呼びかけた。学生は個人の参加者は毎年代替わりしていくが「学生主体の活動」のDNAは継承されていく。卒業したら終わりではなく、卒業後も個人はずっと支援先の人またはその人が住む土地とかかわり続けることもできる。ここで培われた縁や帰るべき場所は決して立ち消えることはないのだ。これはパッケージ化されたボランティアプログラムではできない。もちろん直接ボランティアのために訪問する機会は減るかも知れないが、行けばやらなければいけないことはたくさん見つかる。そのような潜在するNeedsは、まず現地に行かなければ見えてこないからだ。単に被災者に寄り添って会話をするだけでも立派な支援につながる。それも、ボラセンから紹介された活動でなく、自発的につくり上げてきた関係性があるからこそ実現するのだ。

 

 最後に、関西学院大学は2015年3月末をもって、4年間続けてきた東日本大震災の救援支援活動にかかるさまざまな学生のボランティア活動に関する一連の援助を終了した。共働Pは所属していた関西学院ヒューマンサービスセンターから離脱し、大学における学生主体の活動のコーディネーションとあいのりバスの企画運営というミッションも一旦終了した。しかし、復興期の活動で多くの学生に訴えかけてきた「里帰り」のコンセプトは今後も生かされていくであろうし、かたちを失っても「共働」の縁でつながった大きな輪っかは消滅することはない。

 ボランティア活動は教育活動ではない。しかし教育を超えたボランティアのつながりは、結果として多くの学びを残すこととなる。きっかけはボランティアであっても、学生たちは多くの学びを体験する。その後の社会生活の中で、そして大学での専門の研究活動においても大きな影響を及ぼすことになる。同時に非常時の被災地復興支援の活動のノウハウは平常時には地域防災、都市デザイン、まちづくりや地域福祉活動に直接生かされることになる。被災地での活動が社会参画の機会を創出するのである。それは、「学生主体」「“やりたい”が“できる”」「共働」「横軸連携」「輪っかの形成」「里帰り」といったキーワードが、共働Pのあいのりバスの活動にかかわってきた学生たちの中で、いついかなる場面においてもかたちあるDNAとして生かされ続けるからである。そしてそのことが、(起こることを前提に考えるのは不適切ではあるが)次に大災害が起きたときのプラットフォームとして必ず生きてくることを確信しているからである。
(季刊『ふくしと教育』2015年通巻19号、杉浦 健「共働プラットホームのあいのりバス 災害支援における学生の『共働』」より抜粋)

 活動について

2011.3.11

14時46分18秒 宮城県牡鹿半島の東南東沖130km、仙台市の東方沖70kmの太平洋の海底を震源とする東北地方太平洋沖地震が発生。地震の規模はモーメントマグニチュード (Mw) 9.0。

それに伴って発生した津波、およびその後の余震により東日本大震災が勃発。

 

2011.3.22
関西学院大学神戸三田キャンパス総合政策学部、理工学部の学生が三田支援ネットを結成。

被災地の情報収集を開始。

 

2011.4.3
三田支援ネット主催でボランティア先遣隊(学生ボランティアバス)として学生を宮城県石巻市に送り出し、復旧支援活動にあたる。(〜4.6)


2011.4.26

三田支援ネットのスタッフが関西学院ヒューマンサービスセンター(HSC)主催の学生ボラィアバスをコーディネーションし、関西学院大学西宮上ケ原キャンパスから宮城県石巻市に送り出す。(〜4.29)

        

その後、三田支援ネットから1回(6.3〜6)、HSCから1回(6.10〜13)、石巻の牡鹿半島や宮城県七ヶ浜町などに向けてボランティアバスを出す。


2011.6.21

関西学院大学聖和キャンパス(兵庫県西宮市)で開催された「関西学院大学東日本大震災共働プロジェクト(共働P)集会」に集結した学生が「共働(co-action)のためのプロジェクト」に向けて結束。    

 

2011.6.30

プロジェクト名と団体名とを明確にするため、第1回MTGにて、活動時の団体名を「共働プラットホーム」(共働P)と命名。

団体としての共働PはHSCの部門という位置付けとなり、関西学院大学公式の東日本大震災における救援支援のための活動を開始する。

 

2011.8.4〜2015.3.25

「あいのりバスプロジェクト」を始動。東北学院大学(仙台市)主宰の大学間連携災害ボランティアネットワークとの共働により、最初のあいのりバスを宮城県気仙沼市唐桑、七ヶ浜、仙台市宮城野区岡田に送り出す。

        

以後、2015年3月21日〜25日に出した「あいのりバス春号2015」まで、定期的に17回のあいのりバスを実施、合計32クール、延べ1000に及ぶ学生を東北の被災地に送り出した。支援のために訪問した地域は岩手県陸前高田市、宮城県気仙沼市唐桑、同南町、同蔵内、南三陸町歌津、石巻市、東松島市小野、松島町、塩竈市浦戸諸島、七ヶ浜町、仙台市宮城野区岡田、同青葉区芋沢、同若林区荒浜、山元町などに及ぶ。

活動内容は初期の瓦礫撤去や泥出しから、仮設住宅における高齢者サロンや子どもたちの遊び場づくり支援、足湯の支援、児童学生のための学習支援、清掃や草刈りなどの支援、地域の祭りのための支援、自立する女性の手仕事のための支援、農業支援、漁業支援、仮設商店街支援、そして被災した動物の支援など非常に多岐にわたる。

ボランティアの受け入れをいただき、共働した団体・組織は、気仙沼市社会福祉協議会、シャンティ国際ボランティア会、気仙沼南町紫市場、蔵内之芽組、RQ被災地女性支援センター、コンテナおおあみ、石巻復興支援ネットワーク(やっぺす石巻)、東松島市小野駅前応急仮設住宅、東松島市「空の駅」、旅籠まつしま香村、塩竈市浦戸地区桂島応急仮設住宅、レスキューストックヤード、七ヶ浜町社会福祉協議会、七の市商店街、夢麺、佐藤鮮魚店、七ヶ浜町応急仮設住宅総合サポートセンター(アクアゆめクラブ)、七ヶ浜復興研究会なならぼ、花の淵わかめ、七ヶ浜国際村、ファーストフードテイクアウトかぼちゃ、仙台市社会福祉協議会、仙台津波復興支援センター、ReRoots、ドッグウッド、日本動物支援協会、東北学院大学災害ボランティアステーション、ワカツク、ボランティアインフォ、仙台市民活動サポートセンター、うれしや、山元いちご農園、山元町社会福祉協議会、工房地球村、やまもと語りべの会、橋元商店、未来の山元町の種まき会議など。(順不同)


そして、参加する学生の自発性を重んじることをモットーとし、大学の枠にとらわれない「若者が輪になって手と手を取り合える活動」を目指す中、参加者には、関西学院大学の学生以外にも、大阪大学、大阪学院大学、大阪女学院大学、大阪府立大学、大手前大学、関西外国語大学、京都大学、近畿大学、甲南女子大学、神戸大学、神戸市外国語大学、神戸夙川学院大学、神戸女学院大学、神戸親和女子大学、白百合女子大学、摂南大学、園田学園女子大学、同志社大学、同志社女子大学、奈良大学、広島大学、福岡大学、兵庫教育大学、兵庫県立大学、武庫川女子大学、立命館大学、龍谷大学などの学生が含まれた。

 

2015.3.31

関西学院大学の一連の東日本大震災に関する学生の救援支援活動助成の終了に伴い、学生が主体となり団体として行ってきた被災地への「寄り添い」の活動を休止し、個人もしくは少人数での「里帰り」の活動として「継続」することを決める。

これを契機に、共働Pは関西学院大学及びHSCからの独立を決める。

 

2015.6.12

共働Pとして最後のあいのりバスとなる「あいのりバス初夏号2015」を実施。公募は行わず、過去お世話になった先に挨拶に行くという目的でコアな参加者のみに声をかける。最終的な参加者は、関西学院大学18名、兵庫県立大学2名、神戸親和女子大学1名、摂南大学1名、立命館大学1名の計23名となり、それぞれチームに分かれて気仙沼(南町紫市場、蔵内漁港)七ヶ浜、山元、ドックウッド(仙台市青葉区)に赴く。(〜6.15)

 

2015.6.25

関西学院大学西宮上ケ原キャンパスH号館ラーニングコモンズにおいて、共働Pの最後のスタッフミーティングを行う。これにより、4年にわたりあいのりバスなどを企画運営してきた学生主体の災害復興支援団体としての「共働プラットホーム」は解散することとなった。

その後、共働のしくみを生かしながら、共働プラットホーム設立時のミッションに立ち返り、

① 災害支援活動(防災、救援、復旧、復興)のためのコーディネーション(連携)

   さまざまな大学における学生ボランティアのコーディネーション
   カウンターパートナー(大学・NGO・NPO)間のコーディネーション

② ボランティア活動に対するコンストラクション(構築)とインストラクション(指導)

③ 支援に対する情報収集・情報提供とWebページ(※)の管理(共有)

を継続して行うこととし、現在に至る。


そして、東日本大震災の「里帰り」のフォローだけでなく、今後起こるかも知れないあらたな災害に対する情報収集及び提供活動と、いざ災害が起こった際の迅速かつ的確なコーディネーションを行うためのプラットフォームとして、「共働プラットホーム」はあらたな一歩を踏み出すこととなる。

※2020年10月現在、学生のための災害情報の提供活動に関しては共働プラットホームのFacebookページ及びTwitterにて行っています。

 

https://www.facebook.com/kyodop

 

https://twitter.com/kyodop

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